禁煙外来
なぜタバコをやめられない?
喫煙してしまうのは、「ニコチン依存症」という薬物依存の病気が原因です。
タバコに含まれている「ニコチン」に、麻薬と同じくらい強い依存性があるからです。
ニコチンは依存症を誘発する力が非常に強く、使用中止の困難さは他の依存性物質(コカイン、ヘロインなど)と同等であると報告されております。禁煙時にニコチンの離脱症状が出るため、自力での禁煙を極めて難しくしています。(自発的に禁煙した人が、6ヶ月後に禁煙し続けている確率は4.9%と報告されています)
本人のやる気や気持ちが弱いから止められないのではないのです。
禁煙したい意思をお持ちの方を対象に、専門外来を行っております。
スケジュール
受診ごとに禁煙補助薬を処方し禁煙の状況や効果、禁煙補助薬の副作用などについて確認しながら禁煙を継続していけるように説明やアドバイスをさせていただきます。
禁煙外来を途中でやめた方の禁煙成功率は低く、5回きちんと受診された方の方が高くなります。
禁煙をより確実にするために、必要に応じて12週間の延長処方を行うことができます(保険診療外になります)。
費用
健康保険が使えるため(必ず5回通院してください)自己負担が3割の人は約1万3000円~2万円程度になります。(過去に禁煙外来を受診された方でも、前回の治療開始から1年以上経過しておりましたら、再び健康保険が使用できます)
禁煙外来治療費助成事業があります。住民票のある市区町村の保健所に事業の有無・有る場合は助成が受けられるか確認してからの受診がお得になります。
離脱症状について
禁煙後 |
症状 |
1~2日 |
めまい |
2日~ |
タバコをほしがる(2~3日がピークで、3週間でほとんど消える) |
1~7日 |
睡眠障害 |
1~3週間 |
便秘、イライラ感 |
2~3週間 |
怒りっぽくなる、集中力の低下、疲れやすさ |
これらのニコチン離脱症状が、禁煙を困難にしている理由です。
タバコの悪影響について
タバコにはニコチン、タールなどの多くの有害物質が含まれており、様々な悪影響が指摘されております。
悪性腫瘍の発生
肺がん、食道がん、胃がん、大腸がん、口腔がん、膀胱がん、子宮頸がんなど
呼吸器疾患
慢性閉塞性肺疾患、気胸、呼吸器感染症など
その他
逆流性食道炎、胃潰瘍、アレルギー疾患の悪化、糖尿病悪化、睡眠障害、肌のくすみ、色素沈着など
日本人では喫煙により、男性では8年、女性では10年寿命が短縮するとの報告もあります。
受動喫煙はどんな影響があるの?
喫煙者が吸い込む煙(主流煙)だけでなく、たばこから立ち昇る煙(副流煙)や喫煙者が吐き出す煙(呼出煙)にも、ニコチンやタールはもちろん、多くの有害物質や発がん性物質が含まれています。本人は喫煙しなくても身の回りのたばこの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙と言います。実は、たばこの有害物質は、主流煙よりも副流煙に多く含まれています。家族に喫煙者がいたり、喫煙可能なお店で働いたりするなど、受動喫煙にさらされる機会が多い人は、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群等のリスクが高くなるなど、健康への悪影響を受けることが分かっています。
治療を受けると
かなりの確率で禁煙に成功します。禁煙にチャレンジ禁煙から2週間~3ヶ月ほどで、肺の機能が回復し1ヶ月~9ヶ月で、咳や息切れが改善します。心臓疾患や脳卒中のリスクが下がります。
肺がん、口腔がん、咽頭がん、食道がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がんになるリスクも下がります。
自分と家族の健康のために禁煙にチャレンジしてみませんか?